つなぎ ~目次~
つなぎに関する記事の目次です。
基本
はじめに
意味つなぎ
曲つなぎ
- 曲つなぎ その1
- 曲つなぎ その2
実際の操作
- 必要なもの
- 具体的な手順
テクニック
ビートマッチ
つなぎ基本技
- カットイン・アウト
- フェードイン・アウト
- ヴァイナルブレイク・バックスピン
エフェクト
- ディレイの使い方
- リバーブの使い方
- フィルターの使い方
発展
- ループのコツ
- スクラッチ
知識
- 曲の構成・展開
- ごちゃごちゃにならないために
- どこでつなぐか
- テンポ・拍子が違う曲の場合
意味つなぎ その1
こんにちは、ののじです。今回は意味つなぎです。これも長くなりそうなので分割します。意味つなぎはアニソンDJにとってメインとも言える大事なつなぎです。また選曲にも深く影響します。それでは掘り下げていきましょう。
意味つなぎの使い方
まずは具体的な意味つなぎの手順を考えていきましょう。
以前書いたように意味つなぎは曲の附帯情報を使うので、音楽的な考慮は不要です。そのかわり曲からなるべくたくさんの情報を引き出す必要があります。例としてアイカツフレンズ!のOP曲「ありがと⇄大丈夫」の情報を考えてみましょう。
まだまだたくさんありますが、とりあえずこの辺にしておきます。ではこの情報を元に次の曲を考えてみましょう。候補はこんな感じでしょうか。
- Believe it (同アニメのED)
- キラッとスタート (同時期の女児アニメかつ二次元アイドルもの「キラッとプリ☆チャン」のOP)
- We can!!HUGっと!プリキュア (同時期の女児アニメ「HUGっと!プリキュア」のOP)
Believe itについては単純にOPとEDです。これは鉄板ですね。キラッとスタートは別作品ではありますが非常に多くの共通点を持ちます。誰でもすぐに理解できる、わかりやすい意味つなぎです。同様にWe can!!HUGっと!プリキュアも共通点が3つ (同時期, 女児アニメ, OP) ありますね。
意味つなぎではこのように次の曲へつないでいきます。とにかく附帯情報だけに目を向け、なるべく濃い共通点を持つ曲を選択していきます。
つまり意味つなぎの方法は連想ゲームのようなものなのです。共通点を持つ曲を探してデッキにセット、1番サビが終わったら次の曲の再生を開始し徐々にフェードイン・アウト、という手順になります。
選曲との関連
これまでずっと意味つなぎのことを「つなぎ」としてしか書いてきませんでした。ですが、みなさん既にお分かりでしょうけど、これ実はどっちかというと「選曲」の技術です。
意味つなぎを大事にすることで、当然ながら次の曲が決まっていきます。すると自然にセットリストが組み上がるわけです。
選曲はつなぎと同等かそれ以上にDJの大事な要素です。それが連想ゲーム的にサクサクッと決まっていくのはとっても便利です。
そう便利なんです。便利なんですが。ここにすごく大きな落とし穴があります。
それは「意味つなぎに頼りきって選曲をすると、個性が無くなる」ということです。つまり、誰がやっても同じようなDJになってしまうんです。ただでさえ曲はオリジナルじゃないのに、選曲まで同じじゃもうその人の顔は全くありません。のっぺらぼーです。
いや、それでも個性を演出できる人はいるにはいるんですけど超がつくほどレアケースです。ほぼ確実にのっぺらぼーになると思ってください。
なぜ個性が無くなるのかというと「附帯情報の数には限界があり、全ての情報が使えるわけではないから」ですかね。ちょっと分かりにくいでしょうか。
まず「附帯情報の数には限界がある」については大丈夫でしょう。言葉の通り、無限に情報があるわけではないので当然底をつきます。次の曲の選択肢が無限に広がるわけではありません。
で「全ての情報が使えるわけではない」ですが、附帯情報の中には使えない情報がたくさんあります。というか「場合によっては使えなくなる情報」があります。例えば「作曲家」とか「制作会社」みたいな。なぜでしょう。
理由はごくごく単純に「お客さんが気づかないから」です。MONACAとかufotableとかぐらいなら通じるかもしれませんが、マイナーだとまず気付いてもらえません。意味つなぎは共通点が全てなのに気付いてもらえないとなると、それはただのシャッフル再生です。
気付いてもらわないといけない以上、マイナーな情報は切り捨てる必要があります。メジャーな情報のみ使用可能、というわけです。それが「全ての情報が使えるわけではない」の意味するところです。
結局、使える附帯情報のみで共通点の多い曲を探してつなぎ続けることになります。さあ、アニクラってどれだけ開催されているんでしょうね。アニソンDJは何人いるんでしょうか。そして意味つなぎはアニソンDJのデフォルト装備みたいなものです。被らないわけないんです。
こんな感じで意味つなぎは選曲に絶大な影響を与えます。使わなければ意味不明な選曲に、頼りすぎると没個性にと何とも悩ましい話です。セットリストを考える際は意味つなぎを大事にしつつ、他の多種多様な要素も含めて考えましょうね。誰がやっても同じというのは悲しいものです。
まとめ
- 意味つなぎは連想ゲームのようなもの
- 意味つなぎを使うことでセットリストが簡単に組み上がる
- 意味つなぎによる選曲だけでは個性が無くなる
つなぎとは ~基本のキ~
こんにちは、ののじです。さぁ、つなぎにいきましょう!といっても1つの記事で収まるようなものではないので、まずは「基本のキ」としてつなぎの定義とその種類についてから始めましょう。
「つなぎ」とは
そもそも「つなぎ」とはなんでしょうか。一言で表すなら「ある曲からある曲へ切り替えること、あるいはその手法」でしょうか。まあ、言葉通りですね。
DJはCDアルバムと違って途切れなく連続して曲をかけますから、曲同士のつながりや曲の混ぜ方、つまり「つなぎ」について考える必要があります。個人的意見ですがこのつなぎこそがDJの醍醐味だと思っています。
つなぎにはセオリーこそありますが「何をどの順番でどうつなぐか」には無限のパターンがあります。このことがDJひとりひとりの特色になります。当然、つなぎにこだわることがDJプレイの質を飛躍的に高めることになります。
2種類の「つなぎ」
ここからは完全に私個人の意見です。一般的な用語ではないし、違う意見をもつ人も多数いると思います。あくまでののじの脳内では、ということをご理解いただきたいです。
面倒な前置きをしてまでこの項目を書くのは、これが私の中では超重要ポイントだからです。そして、この2種類のつなぎを理解して両立させることこそが質の高いDJプレイの絶対条件だと思っているからです!
この2種類のつなぎを「意味つなぎ」と「曲つなぎ」と名付けました!はい、勝手に名付けました!
では、それぞれのつなぎについて説明していきましょう。
意味つなぎ
曲には、それぞれ意味というか背景があります。付帯情報とかメタ情報とも言えますかね。分かりやすく言うと、曲そのものじゃなくて「くっついてくる情報」のことです。例えば「アーティスト, 作曲者, 発売日 etc」みたいなもので、アニソン的には「作品名, 出演声優, キャラ名, 放送年 etc」な感じでしょうか。
この「曲にくっついてくる情報」が同じ、もしくは似通っている点を利用してつなぐことを意味つなぎとしています。
基本的に意味つなぎには技術は必要ありません。音楽的な話は何も無いので。代わりに必要なのはオタク的知識です。詳しければ詳しいほど1曲から多くの情報を引き出すことができ、その情報を利用してつなぐ対象の曲を見つけることができます。
つまりオタクなら簡単なんです。ですので、オタクがアニソンDJをとりあえずやり始めると意味つなぎのオンパレードになります。同じ声優、同じキャラ名、アニメ1期OPと2期OPなどなど。
誰でもできる意味つなぎですが、アニソンDJの中にはとてつもないセンスを発揮する人もいるんです。例えば、こんなつなぎを見たことがあります。
ようこそジャパリパークへ → 広島カープ・新井 引退会見
セリフの「アライさんにおまかせなのだぁー!」からのつなぎです。これぞ純度100%の意味つなぎで、センスしかありません。そもそも曲ですらないですし。
この時は場が爆笑に包まれました。こういう飛び道具は意味つなぎだから可能な技です。アニソンという付帯情報の極めて多いジャンルだからこそ、意味つなぎは大事なつなぎ方なんです。
曲つなぎ
意味つなぎに対して、こちらは曲そのものでつなぐことを言います。つまり「音楽的につなぐ」ことを曲つなぎとしています。
補足すると「音楽的に相性のいい曲同士をつなぐ」ということです。音楽的な相性を判断する材料としては「ジャンル, 拍子, テンポ, キー, 曲のもつ雰囲気, 鳴っている楽器 (音) etc」といった感じでしょうか。
意味つなぎとは逆に、こちらはオタク的知識は不要です。純粋に音楽の知識とセンス、そして技術が問われます。こればかりは勉強と練習が必要です。
そしてこの曲つなぎ、アニソンDJの世界では非常に軽視されています。理由は「勉強と練習が必要で難しいわりにお客さんにウケず、リターンが低い」からでしょう。アニクラに行ってみれば分かりますが、お客さんのほとんどは音楽的に美しいつなぎにあんまり興味を示しませんからね。
じゃあウケないから意識しなくていいかというとそんなことはありません。なぜなら、この曲つなぎが他のアニソンDJとの違いを、そのアニソンDJの個性を生むからです。そして多くのアニソンDJが曲つなぎを軽視している今こそ違いを見せつけるチャンスだからです。
大体のアニソンDJが音をぐちゃぐちゃにしてつないでいる中で、スムーズに曲を混ぜたりスパッと気持ちよく切り替えると、いかにお客さんが音楽的なことに興味がないとはいっても「おお?」と思うものです。
アニソンはとてつもなく曲つなぎが難しいジャンルです。それゆえに諦められてしまうことが多い曲つなぎですが、使いこなせば強力な武器になります。捨ててしまうには惜しいつなぎ方です。
「意味」と「曲」の両立
さて、前にも書きましたがこの2種類のつなぎを両立させることでDJプレイの質が高まります。意味つなぎだけでは音楽的にぐちゃぐちゃで今一つ気持ちよくないし、曲つなぎだけではアニソンの特徴をかなぐり捨てているようなものです。音楽的に気持ちよくて、分かりやすい曲同士の関連もあるのが理想です。
とはいえ、現実として完全に両立させるのは至難の業です。2種類のつなぎは、あちらを立てればこちらが立たずということになりやすいんですね。
なぜそうなるかというと、2種類のつなぎは全く関係ない独立した概念だからです。とあるアニメのOP, ED, 挿入歌だからって全部ロックとは限りませんよね。逆にロックだからって特定のアニメってわけでもありません。いろんなアニメがロック調の曲を使っています。
じゃあどうするか。完全な両立が無理であれば、片方を重視しつつもう片方を考慮することになります。意味つなぎをメインにしながら出来るだけキレイにつなぐとか、曲つなぎをメインにしながら浅くても関連する情報を見出すといった感じでしょうか。
あるつなぎに対して、このどちらをメインにするか、どの程度もう片方を考慮するかは完全にDJの匙加減です。そしてそのDJの特色であり腕の見せ所ってわけですね。
さらに実際はあえて雰囲気を変えるために片方、場合によっては両方のつなぎを捨てることもあります。まあ、なんでもありなんです。とはいっても、2種類のつなぎの両立が基本であることには変わりありません。
まとめ
- つなぎ = ある曲からある曲へ切り替えること、あるいはその手法
- つなぎには意味つなぎと曲つなぎがある
- 意味つなぎ = 曲に付帯する情報を利用してつなぐこと
- 曲つなぎ = 音楽的に相性のよい曲をつなぐこと
- 2種類のつなぎの両立を目指すことが基本