意味つなぎ その2
こんにちは、ののじです。引き続き意味つなぎです。意味つなぎをするにあたり必須となる曲同士の関連について考えていこうと思います。いつも通りややっこしいです!ごめんなさい!
曲同士の関連の強さ
意味つなぎでは必ずつなぐ曲の間に何かしらの関連・共通点があります。この時に共通点が多ければ多いほど、曲同士の関連は強いと言えます。
試しに意味つなぎ その1で例に出した「ありがと⇄大丈夫」と意味つなぎ候補の3曲について、共通点の数を数えることで関連の強さを測ってみましょう。
曲名 | OP/ED | 作品 | 放送時期 | 女児アニメ | 二次元アイドル | 共通点数 |
---|---|---|---|---|---|---|
Believe it | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 5 |
キラッとスタート | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 | 4 |
We can!!HUGっと!プリキュア | 〇 | × | 〇 | 〇 | × | 3 |
OP/EDについては単純にOPかEDに使われていればよし、という緩い感じでカウントしてみました。「Believe it」がもっとも共通点が多く「We can!!HUGっと!プリキュア」が一番少なくなりました。
「Believe it」は「ありがと⇄大丈夫」と同じアニメの同じクールのOP/EDの関係なので当然一番強い関連性があります。対して「キラッとスタート」は同じ女児アニメで二次元アイドルものではありますが別作品です。さらに「We can!!HUGっと!プリキュア」は二次元アイドルものではありません。
このように共通点が多ければ多いほど関連性は強く「わかりやすい意味つなぎ」になります。お客さんに優しい安定のつなぎです。逆に少ないほど関連性は弱く「わかりにくい意味つなぎ」となります。もっとも、上の例は全部わかりやすい側です。実際の現場では共通点が1つとかザラですので。
さて、ここまで単純に共通点の数だけで関連の強さを判断してきましたが、実は数以外にも判断すべき要素があるんです。それが「附帯情報の範囲」です。
付帯情報の「範囲」を理解する
はい、情報の範囲です。ちょっと分かりにくいのでもう1回「ありがと⇄大丈夫」を例に考えてみましょう。
「ありがと⇄大丈夫」はアイカツフレンズ!の曲です。当然ながらアイカツフレンズ!はアイカツ!シリーズです。が、アイカツ!シリーズには他の作品も存在します。そしてアイカツ!シリーズは全て確実に女児アニメです。ですが女児アニメはアイカツ!シリーズだけではありません。
整理するとこうなります。「ありがと⇄大丈夫」は「女児アニメ」の中の「アイカツ!シリーズ」の中の「アイカツフレンズ!」の曲です、と。「女児アニメ」はその他2つを内包しており、「アイカツ!シリーズ」は「アイカツフレンズ!」を内包しているということですね。
これらから、もっともカバーする範囲の広い情報は「女児アニメ」となります。逆は「アイカツフレンズ!」です。つまり附帯情報の範囲とは「ある情報にどれだけの情報 (あるいは曲) が含まれているか」ということです。何となく分かっていただけたでしょうか……
で、この範囲が広ければ広いほど「浅く、関連が薄く」なります。例えば「キャラソン」みたいなぼやっとした情報だと、膨大な曲数が含まれることになります。それこそ日常ものの曲からバトルものの曲まで。仮にその2曲をつなぐとして、キャラソン以外の情報が全て異なる場合、なんかすごーく薄いつながりだと思いませんか?意味つなぎだと理解してもらうのは難しいでしょうね。
逆に範囲が狭い「深く、関連が濃い」情報だと、1つだけでも十分に意味つなぎとして理解してもらえます。先に挙げた「アイカツフレンズ!」はそれです。「アイカツ!シリーズ」でもまだ濃いでしょう。これだと「アイカツつなぎ」ということで分かりやすく意味つなぎが成立します。
このように情報にはそれぞれ範囲があり、範囲の広さによって2曲間の関連の強さに与える影響が変化します。先に説明した「共通点の数」に加えて「共通する情報の範囲」を考えることで、どの程度の関連性を持っているか、意味つなぎとして理解してもらえるかをある程度判断できるのです。
……そもそもの曲がマイナーとか、いくらでも例外はあるんですけどね……
情報の活用
実践的な内容に入りましょう。ここまで関連と附帯情報についてひたらすら書いてきましたが、実際どう情報を活用してつないでいけば良いのでしょうか。まずは共通点を多く、範囲を狭くすることからいきましょう。
できるだけ多く狭く!でも
基本はなるべく関連の強い曲を使用することです。意味つなぎである以上お客さんに気付いてもらう必要があるわけで、分かりやすさは必須です。鉄板でありベストです。
が、あまりに関連が強すぎる曲だと何の驚きもなく、お客さんのリアクションも「知ってたー」的な感じになることがあります。同じアニメのOP/EDみたいなガチンコ鉄板意味つなぎより1つ2つ (あるいはもっとたくさん) 外してつなぐのが、意味つなぎとしてはいい塩梅なのかなーと思います。
またまた「ありがと⇄大丈夫」を例に出すと、私なら限界でも「スタートライン!」(アイカツスターズ!最初のOP) ぐらいに抑えます。これでも強すぎな気がしますけどね。でも同じシリーズの別アニメ、そして両方とも最初のOPと分かりやすさは抜群です。
じゃあ具体的にどのような情報をメインに使うべきなのでしょうか。正直それは個人個人で考えるべきことだと思うんですけど、やはり王道は「アニメ」「アーティスト」でしょう。「同じアニメの別アーティスト曲」と「同じアーティストの別アニメ曲」という意味つなぎは割と使いやすいものです。アニメ内には挿入歌やキャラソンもありますし、アーティストにもグループ曲やソロ曲がありますから、まあまあ幅があります。
その2つはそれなりに範囲が狭いので単体でもいいんですけど、さらに「バトルもの」みたいな情報を足したり、放送時期を合わせたり、歌詞を考慮したりすると意味つなぎとしてのクオリティが上がります。アニメや曲に詳しいオタクほど「わかってるやん!」というリアクションをしてくれることでしょう。
あえて外す?
応用として、わざと関連の弱い曲や全く関連のない曲を使う手法もあります。これはつまり意味つなぎを捨てることを指します。ですが、これは別に書く曲つなぎでカバーできる場合や完全に何か狙いがあってやる場合に限られます。
曲つなぎについては一旦置いておくとして、狙いがあってやるというのは例えば雰囲気を入れ替えたい!といった場合です。ハイテンポなロックを3曲続けた……なんて時は関連を無視して日常ものEDを突っ込んだりすると、いいクールダウンになったりします。
または選曲の幅を広げたい時なんかにもあえて関連を弱める場合があります。「アイカツ!シリーズ」よりも「二次元アイドルもの」の方が当然範囲は広いので、アイカツ曲からプリチャン/プリパラ曲やアイマス曲、ラブライブ!曲等々へつなぐことが出来るようになります。これくらいなら、まだ意味つなぎになっていますしね。
あとはごくごく単純に何も思い浮かばなくてどうしようもなくなった時とかでしょうか。これはもう八方塞がりなんで、とりあえずアンセムを突っ込むことになりがちです。まあこれは非常事態で、DJとしては避けるべき状況ですけど。
なんにしても、わざと関連を弱めたり無くしたりするならば曲つなぎによるカバーは大なり小なり必要です。音楽的に合っていないのに意味もわからないってのはDJがやる意義がないので基本的になしですよ!
まとめ
- 共通点が多く、範囲の狭い附帯情報があるほど曲同士の関連は強くなる
- 出来るだけ関連が強い曲を使うのが基本
- あえて外すのもありだが例外