ののじのめもも

在宅アニソンDJによる修行録

つなぎとは ~基本のキ~

こんにちは、ののじです。さぁ、つなぎにいきましょう!といっても1つの記事で収まるようなものではないので、まずは「基本のキ」としてつなぎの定義とその種類についてから始めましょう。

「つなぎ」とは

そもそも「つなぎ」とはなんでしょうか。一言で表すなら「ある曲からある曲へ切り替えること、あるいはその手法」でしょうか。まあ、言葉通りですね。

DJはCDアルバムと違って途切れなく連続して曲をかけますから、曲同士のつながりや曲の混ぜ方、つまり「つなぎ」について考える必要があります。個人的意見ですがこのつなぎこそがDJの醍醐味だと思っています。

つなぎにはセオリーこそありますが「何をどの順番でどうつなぐか」には無限のパターンがあります。このことがDJひとりひとりの特色になります。当然、つなぎにこだわることがDJプレイの質を飛躍的に高めることになります。

2種類の「つなぎ」

ここからは完全に私個人の意見です。一般的な用語ではないし、違う意見をもつ人も多数いると思います。あくまでののじの脳内では、ということをご理解いただきたいです。

面倒な前置きをしてまでこの項目を書くのは、これが私の中では超重要ポイントだからです。そして、この2種類のつなぎを理解して両立させることこそが質の高いDJプレイの絶対条件だと思っているからです!

この2種類のつなぎを「意味つなぎ」「曲つなぎ」と名付けました!はい、勝手に名付けました!

では、それぞれのつなぎについて説明していきましょう。

意味つなぎ

曲には、それぞれ意味というか背景があります。付帯情報とかメタ情報とも言えますかね。分かりやすく言うと、曲そのものじゃなくて「くっついてくる情報」のことです。例えば「アーティスト, 作曲者, 発売日 etc」みたいなもので、アニソン的には「作品名, 出演声優, キャラ名, 放送年 etc」な感じでしょうか。

この「曲にくっついてくる情報」が同じ、もしくは似通っている点を利用してつなぐことを意味つなぎとしています。

基本的に意味つなぎには技術は必要ありません。音楽的な話は何も無いので。代わりに必要なのはオタク的知識です。詳しければ詳しいほど1曲から多くの情報を引き出すことができ、その情報を利用してつなぐ対象の曲を見つけることができます。

つまりオタクなら簡単なんです。ですので、オタクがアニソンDJをとりあえずやり始めると意味つなぎのオンパレードになります。同じ声優、同じキャラ名、アニメ1期OPと2期OPなどなど。

誰でもできる意味つなぎですが、アニソンDJの中にはとてつもないセンスを発揮する人もいるんです。例えば、こんなつなぎを見たことがあります。

ようこそジャパリパークへ → 広島カープ・新井 引退会見

セリフの「アライさんにおまかせなのだぁー!」からのつなぎです。これぞ純度100%の意味つなぎで、センスしかありません。そもそも曲ですらないですし。

この時は場が爆笑に包まれました。こういう飛び道具は意味つなぎだから可能な技です。アニソンという付帯情報の極めて多いジャンルだからこそ、意味つなぎは大事なつなぎ方なんです。

曲つなぎ

意味つなぎに対して、こちらは曲そのものでつなぐことを言います。つまり「音楽的につなぐ」ことを曲つなぎとしています。

補足すると「音楽的に相性のいい曲同士をつなぐ」ということです。音楽的な相性を判断する材料としては「ジャンル, 拍子, テンポ, キー, 曲のもつ雰囲気, 鳴っている楽器 (音) etc」といった感じでしょうか。

意味つなぎとは逆に、こちらはオタク的知識は不要です。純粋に音楽の知識とセンス、そして技術が問われます。こればかりは勉強と練習が必要です。

そしてこの曲つなぎ、アニソンDJの世界では非常に軽視されています。理由は「勉強と練習が必要で難しいわりにお客さんにウケず、リターンが低い」からでしょう。アニクラに行ってみれば分かりますが、お客さんのほとんどは音楽的に美しいつなぎにあんまり興味を示しませんからね。

じゃあウケないから意識しなくていいかというとそんなことはありません。なぜなら、この曲つなぎが他のアニソンDJとの違いを、そのアニソンDJの個性を生むからです。そして多くのアニソンDJが曲つなぎを軽視している今こそ違いを見せつけるチャンスだからです。

大体のアニソンDJが音をぐちゃぐちゃにしてつないでいる中で、スムーズに曲を混ぜたりスパッと気持ちよく切り替えると、いかにお客さんが音楽的なことに興味がないとはいっても「おお?」と思うものです。

アニソンはとてつもなく曲つなぎが難しいジャンルです。それゆえに諦められてしまうことが多い曲つなぎですが、使いこなせば強力な武器になります。捨ててしまうには惜しいつなぎ方です。

「意味」と「曲」の両立

さて、前にも書きましたがこの2種類のつなぎを両立させることでDJプレイの質が高まります。意味つなぎだけでは音楽的にぐちゃぐちゃで今一つ気持ちよくないし、曲つなぎだけではアニソンの特徴をかなぐり捨てているようなものです。音楽的に気持ちよくて、分かりやすい曲同士の関連もあるのが理想です。

とはいえ、現実として完全に両立させるのは至難の業です。2種類のつなぎは、あちらを立てればこちらが立たずということになりやすいんですね。

なぜそうなるかというと、2種類のつなぎは全く関係ない独立した概念だからです。とあるアニメのOP, ED, 挿入歌だからって全部ロックとは限りませんよね。逆にロックだからって特定のアニメってわけでもありません。いろんなアニメがロック調の曲を使っています。

じゃあどうするか。完全な両立が無理であれば、片方を重視しつつもう片方を考慮することになります。意味つなぎをメインにしながら出来るだけキレイにつなぐとか、曲つなぎをメインにしながら浅くても関連する情報を見出すといった感じでしょうか。

あるつなぎに対して、このどちらをメインにするか、どの程度もう片方を考慮するかは完全にDJの匙加減です。そしてそのDJの特色であり腕の見せ所ってわけですね。

さらに実際はあえて雰囲気を変えるために片方、場合によっては両方のつなぎを捨てることもあります。まあ、なんでもありなんです。とはいっても、2種類のつなぎの両立が基本であることには変わりありません。

まとめ

  1. つなぎ = ある曲からある曲へ切り替えること、あるいはその手法
  2. つなぎには意味つなぎと曲つなぎがある
  3. 意味つなぎ = 曲に付帯する情報を利用してつなぐこと
  4. 曲つなぎ = 音楽的に相性のよい曲をつなぐこと
  5. 2種類のつなぎの両立を目指すことが基本